四通目のお手紙——海外旅行のとき、お薬とサプリメントはどう持っていく?
← ウェルネス
ウェルネス · 2026.06.30

四通目のお手紙——海外旅行のとき、お薬とサプリメントはどう持っていく?

お薬はスーツケースではなく、あなたのそばに。荷造り・時差・入国ルールの3つの安心原則を、薬剤師が暮らしの言葉でわかりやすく。

親愛なるあなたへ。

前回のお手紙では、「家での飲み方」が分かりました。

今回は視線を「出かける先」へ——海外旅行のとき、お薬とサプリメントはどう持っていき、どう飲めば安心でしょうか。

私の大好きなテーマのひとつです。薬剤師の専門知識が、旅の日常と出会うところ。

準備ができていれば、健康も行程も、どちらも我慢しなくてよいのです。

💬 空港での小さな出来事

友人の経験をお話しします。

彼女は日本旅行のとき、毎日のお薬をかわいいピルケースに小分けして預け荷物に入れ、アメリカで買ったメラトニンのグミも持っていきました。時差ぼけ対策のつもりでした。

ところが荷物はホテルに届くまで丸一日遅れ——お薬も、その一日を荷物の中で旅することに。そして入国の際、そのグミについて何度か質問されました。日本でも台湾でも、メラトニンは「食品」ではなく「医薬品」として管理されているからです。

結果的には何事もなかったのですが、彼女は言いました。その日に学んだことは、どんな持ち物リストよりも深かった、と。

💡 今日の小さな知識|お薬を持って出かける3つの安心原則

まずは表をご覧ください。

テーマ安心原則なぜ
荷造り処方薬は手荷物に。元の包装と薬袋のまま、旅程分+数日分を荷物は紛失も遅延もします。お薬は待てません。元の包装の表示こそ、税関へのいちばん早い説明です
時間「服用間隔」を基準に、到着後は少しずつ現地時間へ1日1〜2回のお薬は、時刻より間隔が大切なことがほとんど。インスリンや経口避妊薬など時間に厳密なお薬は、先に計画を
入国出発前に、目的地の国のルールを確認同じ成分でも、国が変われば「身分」はまったく違います:食品、医薬品、あるいは規制薬物

覚えておきたい3つのポイント

お薬は荷物とではなく、あなたと一緒に。アメリカCDCの旅行健康ガイドも同じ考え方です:お薬は手荷物に、元の表示のある容器で、服薬リストと処方箋のコピーを添えて、遅延に備えて多めに持っていきましょう。

まず「身分」を確認してから。台湾の方がいちばんよく訪れる日本を例にすると:処方薬は1か月分、市販薬は2か月分までが原則として申請不要。それを超える場合や注射剤などは、事前に厚生労働省へ「輸入確認証(薬監証明)」を申請します。また、一部の総合感冒薬や鼻炎薬に含まれる「プソイドエフェドリン」は、日本では覚醒剤原料として扱われ、持ち込みが禁止されています——家では市販薬でも、海外では禁止品になり得ます。サプリメントも同じです。台湾では食品として売られていても、どの国でも同じ扱いとは限りません——友人のメラトニンのグミが、その例です。

規制薬物は、書類が一枚あるだけで、ずいぶん落ち着けます。一部の睡眠薬や抗不安薬は規制薬物です。医師の診断書や処方箋のコピー(英語版が望ましい)を用意しましょう。台湾の食品薬物管理署には、第1〜3級の規制薬物について、事前に声明書を届け出る仕組みもあります。ただし、区別しておきたいのは、この声明書は台湾の税関への届け出だということです。目的地にも独自のルールがあります——たとえば日本では、睡眠薬や抗不安薬のような向精神薬は、数日分であっても、別途厚生労働省への輸入確認証(薬監証明)の申請が必要な場合があり、台湾側の声明書だけでは足りません。

正直にお伝えします。ルールは国ごとに異なり、更新もされます。このお手紙は原則と確認先をお伝えするもので、出発前の最終確認に代わるものではありません。最後の拠り所は、目的地の税関・衛生当局・大使館の情報です。

⏱ 1分で分かる健康

Q:ピルケースに小分けすると便利ですが、海外にもそう持っていけますか?

家では大丈夫。でも海外では、おすすめしません。

小分けした瞬間、お薬は名前を失います。表示のないお薬を前に、税関は質問を重ねるしかありません。CDCの指針も、海外では元の包装のまま持っていくことを勧めています。

元の包装と薬袋——それが、翻訳のいらない説明書です。

🏠 今回持ち帰ること

出発前に、小さな五つのこと。

☐ 処方薬は手荷物に、3〜5日分多めに

☐ 元の包装と薬袋を一緒に。ピルケースだけに頼らない

☐ 服薬リストと処方箋・診断書をスマホに撮っておく(英語版が望ましい)

☐ 目的地のルールを一度確認——とくにメラトニン、睡眠薬、感冒薬とサプリメントの成分表示

☐ 時差の大きい旅は、先に薬剤師へ:服用時間の調整をメモに

10分多く確認すれば、一日分のご機嫌が守れるかもしれません。

💌 二週間後の私たちへのお手紙

持ち方が分かったら、次回は私の荷物をそのまま開けてお見せします。

次回のお手紙——「薬剤師の海外旅行、お薬ポーチの中身は?」

✦ 薬剤師の旅行用お薬ポーチ:胃腸、風邪、アレルギーと応急ケア、一つずつ一緒に整えましょう
✦ 薬剤師が持っていかないもの:成分の分からないもの、出所の不明なもの、他人のお薬
✦ たくさん入れることより、正しく入れること——「成分が重ならない」ことが、詰め込むことより大切です

持ち方が分かれば、旅はそれだけ穏やかになります。

なぜなら、私はずっと信じているからです。

Every choice is an act of self-care.
すべての選択は、自分をいたわる方法です。

あなたの旅がどれも安全で穏やかで、お薬の心配のないものになりますように。

二週間後に、またお会いしましょう。

—— ARY

暮らしの癒し誌を購読

新しい記事、毎月のセルフケア提案と本草オラクルを、いち早くメールでお届けします。

購読する